米国時間9月1日、米国ガソリンスタンドのExxon(エクソン)とMobil(モービル)にてAmazon Alexaによる音声決済が使えるようになりました。今回Exxonで実際に音声決済を試したところ、支払いがとてもスムーズにでき、この体験をした後ではもはや従来の決済には戻ることができないと感じさせられるほど、ユーザー体験が優れていました。今回はその体験レポートをお届けしたいと思います。
事前準備
現在、音声決済が対応できる仕組みは大きく3つです。1つ目はAmazon Echo AutoなどのAlexa対応デバイスを使った決済。2つ目はAlexa対応をしている車両を使った決済。3つ目はAlexaモバイルアプリを使った決済です。今回、私が実際に試したのはAlexaのモバイルアプリです。App StoreからAlexaモバイルアプリをダウンロードし、既に持っていたAmazonアカウントと連携をさせるだけで準備完了です。
クレジットカードを使った従来型の決済
まず最初に米国ガソリンスタンドの従来のクレジットカードを使った場合の支払い方法を説明したいと思います。
- ガソリン給油前に支払い処理
ガソリンスタンドの給油機の側に車を止めた後、クレジットカードを給油機側にある操作パネル横のカードリーダーに通します。
クレジットカードが認識された後、このカードはデビットカードですかという質問があり、いいえを選択。
米国のクレジットカードは暗証番号がないため、ガソリンスタンドでは代わりにZIPコード(郵便番号)の入力が求められます。 - ガソリンの種類を選択して給油開始
3種類のガソリンから希望のガソリンを選択し、給油を開始。
給油終了後、給油ノズルを戻して完了。
Alexaの音声決済を使った決済
- Alexaで音声決済
ガソリンスタンドの給油機の側に車を止めた後、Alexaモバイルアプリを起動して、Alexaにガソリン代を支払う(Pay for gas)と指示することから始まります。実際のやり取りは以下のようなものでした。(実際のやり取りは英語となります)Alexa:あなたがいるのはMoorParkのエクソンですか?
私:はい、そうですAlexa:給油機の番号を教えてください
私:6ですAlexa:エクソンへ決済情報を提供しますが問題ないですか?
私:問題ありません上記のやり取りを終えた後、エクソン給油機がAlexaの支払い処理を認識して給油準備が整いました。
- ガソリンの種類を選択して給油開始
3種類のガソリンから希望のガソリンを選択、給油を開始。
給油終了後、給油ノズルを戻して完了。
レシートはAmazonアカウントに登録されているEメールへ届きます。
Alexa側から店舗場所や給油機の番号確認などがされるため、お互いの認識に齟齬が生まれないようなオペレーションがあり安心して操作することができました。
また近場のMobileで音声決済が使えるかどうか試そうとしましたが、AlexaがMobileを発見できず試すことができませんでした。リリースされたばかりの機能ということもあり、まだ全てのガソリンスタンで安定して使える訳ではなさそうでした。
NisshoUSA注目ポイント
物理的なクレジットカードやデビットカード、Apple Payなどの非接触決済は普段からストレスなく使えていましたが、音声だけで決済が完了することは実際に体験してみて、その便利さに気付かされました。クレジットカードを財布から取り出す動作やカードリーダーへの挿入、非接触決済の場合は決済デバイスへスマホを近づける動作など、そのような動作が不要になるのは些細なことだと思っていましたが、それらがなくなってみると思っていたよりずっと楽でした。今後音声決済はガソリンスタンドだけではなく、あらゆる決済シーンで活用されていくものだと今回の経験から確信するほどです。音声での操作には抵抗がある人もいるかもしれませんが、慣れれば特に問題はないだろうと思います。日本市場の音声決済、また音声を活用したあらゆる操作に大きな市場が生まれるかもしれません。
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