新型コロナウイルスの影響で実店舗で買っていた物でも、ECサイトで買うようになった人は多いと思います。様々な物をECサイトで買うようになった中、買い物の最中に、「店員に直接話を聞いてみたい」というように感じた体験をしたことはないでしょうか?多くのECサイトではメールのお問い合わせ窓口を用意していたり、チャットを活用した顧客対応を提供していますが、実際には実店舗で行っていたような接客を提供できているところは少ないように感じます。そこで今回はそのような課題を解決し、実店舗の接客をオンラインでも実現するプラットフォームGliaをご紹介します。
オンラインでの接客プラットフォームを提供
Gliaはチャット、音声通話、ビデオ通話が可能なプラットフォームで、消費者が望む方法で店員とコミュニケーションできるDCS(デジタルカスタマーサービス)を提供します。自社のECサイトで顧客サポートの機能が欲しい場合、Gliaのプラットフォームを活用すればチャットやビデオ通話機能を追加することが可能です。さらに消費者が見ている画面上で店員も一緒に操作できる機能を備えており、実際に店員がマウスポインターで消費者を誘導したり操作したりすることで買い物をサポートできます。そのほかAIを活用した自動チャットボットの機能でよくある質問などには自動で対応できるような仕組みも提供しています。
GliaはAWS上でサービスを展開しており、現在は米国と欧州のリージョンで稼働しています。日本含むアジアへの展開は今後のユーザー獲得次第とのことでした。サブスクリプションでの提供となり、ECサイト側のGliaを使う店員の人数によって費用が変動します。
Gliaが活用できそうなシーン
実際にGilaの人と話してターゲットユーザーを聞いてみたところ、当初は金融業界のカスタマーサービス部門を想定していたとのことでしたが、現在は保険や小売業界などECサイトを持つ様々な業界をターゲットとして活動しているとのことです。そこで日本でも活用できそうな活用例を紹介したいと思います。
家電量販店
Gliaを見てまず最初に思い浮かんだのは家電量販店のECサイトでの活用です。私自身、新型コロナウイルスの影響により家で過ごす時間が増える中、快適に仕事を行うためハイスペックのパソコン、カメラやマイクなどオンラインミーティング用の周辺機器、仕事用のイスなどを全てオンラインで購入しました。ECサイト内でも詳しく各製品の説明が記載されているものの、USB規格の確認や保証期間などの細かな点について実際に同じ画面を見ながら店員と会話をしたいという場面が何度もありました。またどの製品も安い物ではないため、買い物をしている間は「失敗したくない」という思いと不安が常に付きまとっていました。
こんな時、消費者側がコミュニケーション方法を選べるカスタマーサービスをECサイト側が用意すれば、消費者側は安心して買い物することができ、顧客体験の向上に繋がるのではないかと感じました。このことは家電量販店だけではなく、その他のECサイトでも言えることだと思います。
NisshoUSA注目ポイント
数多くあるECサイトの中、消費者から選び続けてもらうための重要なポイントは顧客体験ではないでしょうか。オンライン市場の成長が加速していく一方で、顧客体験に大きな影響力を与える顧客の問い合わせについて大きな変化は起こっていないように感じます。
多くのECサイトでは問い合わせをしたい場合はお問い合わせページに誘導される仕組みとなっていますが、Gliaでは実際に見ているページから消費者側のタイミングと好きな方法で店員と会話ができることできるようになります。消費者側にとっては実店舗で店員に話かけるような体験をまさにECサイトでも行えるというような感覚ではないでしょうか。
価格競争だけではなく、ECサイトでの顧客体験を向上することで他社と差別化を図れるかもしれません。
会社概要
設立年 | 2012年 |
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所在地 | ニューヨーク |
従業員 | 101-250名 |
創設者 | Daniel Michaeli(Founder&CEO) |
資金調達 | $107M(シリーズC) |
VC | Insight Partners、Tola Capitalなど |
URL | https://www.glia.com/ |
※crunchbaseデータベース参照
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