リモートワークの浸透に伴い、仕事の生産性を維持または向上をするためにウェブ会議のZoomやTeams、プロジェクト管理のAsanaなどを活用する企業が多い一方で、デジタルの活用が遅れているのが現場で働く非デスクワーカー向けの領域です。日本では非デスクワーカーの比率は約50%、世界では約80%と言われていますが、意外にもその領域の生産性を高めるスタートアップは多くありませんでした。そのような中、2021年7月にSoftBank Vision FundやM12 Microsoft’s Venture Fundなどから$75M(約82億円)の資金調達に成功をしたデスクレスSaaSを提供するSkeduloが注目を集めています。
デスクレスSaaSのSkeduloとは
サンフランシスコに本社を持つSkeduloは、現場で働く人とその管理者の生産性を高めるソリューションをSaaSで提供するスタートアップです。同社の提供するプラットフォームでは、作業員のスケジュール管理、調整、分析を1か所で行うことができます。それぞれの機能を詳しく紹介します。
スケジュール管理
現場作業員のスケジュール調整や管理を、OutlookやGoogle Calendarなどのカレンダー機能、またはスプレッドシートなどで行っている企業は多いのではないでしょうか。しかしマニュアルでの管理はリソースと時間がかかるため改善する余地があります。
Skeduloが提供するスケジュール管理機能は1つのプラットフォームにスケジュール機能、作業員のスキル、地図などを統合しています。中でも特徴的なのはスケジュールの自動調整機能です。作業員のスキル情報や現在の位置などが1つのプラットフォームで管理できるため、それらのデータに基づいて適切な作業員を迅速にアサインして現場に派遣することが可能になります。
作業員向けモバイルアプリ
現場の作業員向けに提供されるモバイルアプリでは、スケジュールや作業内容、現場への最適なルートを確認することができるほか、アプリ内でやり取りできるメッセージ機能や、作業時間を管理する機能も備えています。機能的には特に目新しいものはないですが、作業員をサポートする機能を1つのアプリで提供することで作業効率の向上に繋げます。
分析
Skeduloのプラットフォームでは、モバイルアプリから得られたデータを可視化して分析できる機能を提供しています。例えば作業時間や移動時間、先月との対比などのデータを可視化することで、新たな気付きや改善点の発見が期待できます。そのほかカスタマーサポートを提供するZendeskやCRMのSalesforceなど既に使用しているツールと連携させれば、様々なソースからデータを集めてより深い分析をすることも可能です。
NisshoUSA注目ポイント
Skeduloは特に新たなテクノロジーを活用しているというわけではありませんが、まだデジタルを活用できていない領域を見つけてソリューションを提供している点では伸び代がまだまだありそうです。これまでの日本の現場では、作業員にスマホが支給されていないなどの理由でSkeduloのようなツールを検討する機会がありませんでしたが、会社で普及する携帯はスマホが一般的となった中、日本市場でも受け入れられる可能性は十分にあるのではないでしょうか。SkeduloだけではなくデスクレスSaaS分野は今後の注目領域です。
会社概要
設立年 | 2013年 |
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所在地 | カリフォルニア州サンフランシスコ |
従業員 | 251-500名 |
創設者 | Matt Fairhurst(CEO) |
資金調達 | $114M(約158億円)シリーズC |
VC | SoftBank Vision Fund、M12 Microsoft’s Venture Fundなど |
URL | https://www.skedulo.com/ |
※crunchbaseデータベース参照
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