こんにちは。今年2016年4月よりNissho Electronics USAに加わりました細井です。ここ米国シリコンバレーのトレンドや肌で感じたことを、このブログを通じてできるだけ鮮度を落とさず発信していきます。ご愛読の程、よろしくお願いします。
さて今回は、2016年4月16日から21日まで米国ラスベガスのコンベンションセンターで開催された「NAB SHOW (国際放送機器展示会)」について報告します。
NAB SHOWはNational Association of Broadcastersが主催する北米最大の放送機器展示会です。公式な発表では、今年2016年の来場者は次の通りです。
- 来場者:103,000名
- 米国外からの来場者:27,000名近く
- 国 :187カ国
放送機器は専門性が高い印象がありますが、昨今のデジタル化に伴い、撮影方法、伝送方法、視聴方法などにおいてICTとの連携が進んでいます。NAB SHOWでも、特にICTとの連携により顧客のQoE (Quality of Experience)を向上し新たな価値を創造する製品やサービスが賑わいを見せていました。
下記では、NAB SHOWを実際に歩き回って感じたテクノロジー動向を紹介します。
1. スーパーハイビジョン(8K)
日本でも8Kテレビが量販店で販売されるようになりました。NAB SHOWのNHKによるブースでは、最先端の8K映像が映し出される巨大スクリーンが設置されており、 多くの来場者が列をなして視聴していました。
使用されていた映像は、青森のねぶた祭りやテニスのウィンブルドンの試合などで、スーパーハイビジョンな映像とサラウンドの音質は臨場感に溢れ、従来より黒はより黒く、白はより白く、まさにその場にいるような間隔を覚えました。
2020年のTOKYOオリンピックで、日本国内や世界各国のパブリックビューイングでこの8K映像が使用されれば、実際に会場に来ることが難しい方々にも、現場の躍動感や東京そして日本の素晴らしさを体感してもらえるのではと期待してしまいます!
2. VR(Virtual Reality)
3Dレンズ装着による仮想環境体験を提供するブースも目立ちました。その中でもNokiaのブースでは、2つの携帯端末をゴーグル型の眼鏡に装着する商品を出展。遠隔の映像をネットワークを介して見たり、予め作成されたソフトウエア上を移動して仮想体験ができるようになっていて、人だかりが出来ていました。また、面白いアングルが一度に撮影できる360度カメラも、注目を集めていました。
3.ソフトウエア技術
ICTではハードウエアからソフトウエア化の動きが激しいですが、放送機器の分野でもICTによるソフトウエア化は着実に進んでいました。ソフトウエアによるエンコーダーのパフォーマンスが上がり、リアルタイムでの活用ができています。また運用面ではRailsへ対応している製品も増加する等、WEBアプリケーションによる連携を前提とした促進が図れています。この流れは新しいビジネスモデルを創出します。
Amazonもエンコーダーベンダーを買収し、視聴者の嗜好やプロフィールに即したCMを挿入するAd-Insertionに積極的です。従来はCATVやIPTVなど視聴者の宅内に設置されるFixed型の環境で提供されていましたが、顧客の視聴環境も変化してくるなかで、Web検索の世界では一般的であるRecommend機能も放送の世界に進出してきています。
4. ドローン
ドローンの展示も盛んでした。従来の撮影機器では難しいアングルからの撮影など、移動体と映像が提供できる事による期待を感じられます。今年の展示では、運用性の容易さ、稼動時間、映像コントロールなどをアピールしているものが多くありました。ドローンがもたらすテクノロジーによって、新しいサービスを生み出すアプリケーションも少しずつでてきています。
今回は、ICT技術と映像の関連したところを、ほんの僅かですが紹介しました。これからも放送・映像分野にも注目し、情報発信してきます。
Nissho Electronics USAは上記のようなトレンドを把握の上、来るべきデジタルビジネス時代に備え、様々な観点からシリコンバレーで調査を行い、日商エレクトロニクスと連携し、お客様に対し最適な提案をしてまいります。お問い合わせフォームより、どうぞお気軽にお問い合わせください。