シリコンバレーに本社を置く企業がAIを搭載したハードウェアを次々と発表しています。
参考:CES2017 注目はAmazon Alexa。IoT Securityはまだこれから
大企業だけでなく、スタートアップもハードウェア市場にどんどん参入しています。ハードウェア開発は資金調達や開発面でハードルが高いと思われがちですが、現在はそうではありません。クラウドファンディングを利用して開発前にユーザーから出資を募ることが可能です。さらに、3Dプリンタに代表される新しい工作機械や、高性能で安価なマイクロコンピュータの登場により、参入障壁が低くなっているのです。
競争の激しい市場で勝つために必要なものが、カスタマーバリュープロポジションです。実際に商品を使用する人にどういった価値を提供するのかを開発の段階からよく考えて作られている製品が成功しています。なぜこの会社のこの製品を買うのか。それを明確にすることで人に必要とされる製品を生み出すことができるのです。
製品を販売するクラウドファンディングのプロジェクトでは、出資者へのリターンとしてその製品を送ること多いです。出資者がそのままその商品がほしい顧客の数と判断することができるため、どういった製品が必要とされているのかを知ることができます。
今回は、
1. iota Tracker : リアルタイムGPSトラッカー
iotaは、大切なものをなくさないためのハイテクプロダクトです。消しゴムくらいの大きさのGPSトラッカーで、アクティビティモニタリング、モーションセンシングをすることができます。ペットや子供、自転車やバイク、財布などにつけておくことで、いつでも場所を把握することが可能です。また、セーフフェンシング機能を利用すると、仮想的に地図上にフェンスを設けることができ、例えば子供が自宅からある一定の距離を離れるとアラートを上げることも可能です。
2. Zipline : ドローンを使ったヘルスケアサービス
Ziplineは医療品を迅速に届けるサービスをルワンダで展開しています。ルワンダでは道路が整備されておらず、緊急時に輸血用の血液などを迅速に届けることが不可能でした。Ziplineは、この問題にドローンを使って解決しています。陸路を利用した場合、数時間かかるところを、ドローンを飛行させて15分程度で届けるサービスを提供し、「命を救うドローン」を飛ばしています。
3. uArm Swift : パーソナルロボットアーム
uArm Swiftは、3Dプリンティングやレーザー彫刻が可能なデスクトップ型のオープンソースロボットアームです。プログラミング用のソフトウェアも付随し、ロボットアームに様々な動きをさせることができます。
また、アームの先端部分に様々なアタッチメントをつけることによって、機能を拡張することも可能です。例えば、ペンをつければ絵を描くこともできます。さらにLeap Motionのようなモーションセンサーデバイスと組み合わせれば、自分の腕の動きと同じ動きをロボットアームにさせることも可能です。
4. The Everlast Notebook : 永遠に使えるノート
Everlastノートブックは無駄な紙を使用しないノートです。ペンと紙を使用するがデジタル時代に合うようにデータをクラウドで保存することも考えて作られています。
「書く->スキャン->クラウドに保存->タオルで拭く」を繰り返すことによって、1冊のノートを使い続けられるというコンセプトとして掲げています。開発元のRoketbook社はこのほかにも、電子レンジでチンすると字が消えて、もう一度書くことができるRoketbook Waveも販売しています。
5. Vinci : 世界初のAI搭載ヘッドフォン
Vinciは会話をしながら音楽をおすすめしてくれるヘッドホンです。ノイズキャンセリング機能付きのワイヤレスヘッドフォンでありながら、ボイスコントロール可能なAIが搭載されています。AIに話しかけることで音楽の再生ができます。さらに、AppleのSiriやAmazonのAlexaのように天気を確認したり、Uberをリクエストしたり、レストランを探すこともできます。iPhoneやAndroid端末などのスマートデバイスと同期することは必要なく、ヘッドフォンだけで動作します。
6. CINEMOOD Storyteller : 手のひらにのるプロジェクター
CINEMODD Storytellerの開発者は2人の子供の父親でもあります。子供の体験をより豊かに、家族の繋がりを深めるために開発した、子供向けのコミックやオーディオブック、電子書籍などのコンテンツがプリインストールされた小型プロジェクターです。
7. CZUR scanner : スマートスキャナー
CAUR scannerはデジタルライブラリを簡単に早く作ることを助けることを可能にしました。デスクトップ型のこのスキャナは、これまでのスキャナの20倍のスピードでスキャンすることができます。また、WiFiに接続することができスキャンしたデータはすぐにクラウドに転送され、高速にOCR処理がされます。
8. Soundbrenner Pulse : バイブレーティングメトロノーム
Soundbrenner Pulseは、ミュージシャンが開発したミュージシャンのためのウェアラブルスマートデバイスです。腕や足などに装着することが可能で、振動を利用して、リズムを知らせることができます。また、バンド演奏の際には複数人のデバイスを同期させることも可能です。
まとめ
「最新のハイテクプロダクト」と言っても技術の側面だけを見ると、”最新”というよりはよく知られたものが多いように思います。ただし、その技術の適用領域や利用の仕方には様々な工夫がなされています。
ドローンは最新の技術ですが、日本国内ではドローンを飛ばすこと自体が規制などにより難しい状況であるし、子供用、大人用のおもちゃとして販売されています。そんな中、Zipline社が提供する「命を救うドローンサービス」は、素晴らしいケースと言えるのではないでしょうか。
そのほかの製品やサービスも、最新の技術、既存の技術、そしてサービス、ビジネスモデルをうまく組み合わせてユニークで価値のあるユーザー体験を作り出そうとしています。
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