こんにちは、Nissho Electronics USA の門馬です。
コロナ禍であらゆる分野のオンライン化が進んだ一方で、最近は業界を問わず店舗の可能性に注目が集まっています。実際に先日ニューヨーク出張のついでに今話題の店舗を回ってみると「顧客体験の創出」や「サステナビリティへの取り組み姿勢の可視化」などさまざまな価値が見えてきました。
今回は、特に刺激的だった6つの店舗について前後編に分けて紹介します。前編で取り上げるのはNFTやWeb3を体験できるSOLANA、小規模ブランドの交流の場を提供するShopify、サステナビリティの取り組みを実感できるMANGOの店舗です。
1. SOLANA
SOLANAは、手数料の安さと高速処理を得意とするブロックチェーンを提供する企業です。同社は2022年7月からNFTやWeb3関連の教育を目的とした店舗をフリーダムサークル近くのショッピングセンターに構えています。そんな企業が店舗を持っていることにまずは驚きました。
店内にはDegenerate Ape AcademyのNFTが飾られているほか、Phantomウォレット入手用、NFT購入用など複数の端末が設置されています。特に面白かったのは、自分自身の写真を撮ってNFT化する端末です。作成したNFTは、Phantomウォレットのコレクションに加えることができます。
2. Shopify
Shopifyと言えばEコマースのプラットフォームですが、ニューヨークのLower Manhattanの実店舗では販売されている商品を手に取って確認することができます。商品の前にはQRコードがあり、オンライン購入が可能です。
店舗内には小規模ビジネスオーナーのコミュニティもあり、ワークショップや1対1でのサポートを提供しています。さらにポッドキャストの収録スタジオや、写真撮影用のスタジオもあるようです。
3. MANGO
MANGOは洋服やアクセサリーのデザインおよび販売をしている企業で、私が訪れたのは5番街の店舗です。ここには以前Ralph Laurenの店舗があり、MANGOの店舗は当時の照明や天井、床の素材を再利用して作られました。また、追加が必要な内装材については、生分解性のオーガニック素材を使用しています。
MANGOは耐久性の高い商品を作って洋服を長もちさせることで廃棄を削減したり、リサイクル可能な素材を積極的に採用したりしています。下の写真のジャケットはポリエステルをリサイクルした素材で作られていました。
NisshoUSA注目ポイント
コロナ禍を機に、多くの小売業が店舗のあり方やその重要性を見直しています。その理由は、オンライン店舗ではなかなか表現できない感触やサイズを手に取って理解してもらえるからというだけではありません。後編でも触れますが、最大のメリットは圧倒的な「体験」を提供できる点です。
実際にSOLANAの店舗では、NFTに対してかつてないほど親しみを感じることができました。将来的には、あらゆるブランドが店頭でNFTを販売することで集客や独自の価値を生み出すのではないか?と思わず想像してしまったほどです。Shopifyの店舗も交流の場となっており、Lower Manhattanの小規模なブティックがたくさんあるエリアで独自の価値を提供していました。
またMANGOのようなブランドの購買者は、同社がすでにサステナビリティを意識したブランドであることを認識して来店します。店舗の成り立ちを店内で体験するだけでも非常に良いアピール材料になっていると思います。サステナビリティの取り組みを消費者に伝える場として、店舗が大きな役割を果たしていると言えるでしょう。
後編では、店舗でさまざまな体験を創出するCAMP、そしてパーソナライズ化に力を入れるM&M’SとLEGOを紹介します。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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