シリコンバレーテクノロジー 2023.10.04

【Zoomtopia 2023速報】AIを活用した新製品を発表!AIがユーザー体験を大きく向上させる

2023年10月3日~4日、米国カリフォルニア州サンノゼでZoomの年次カンファレンス「Zoomtopia 2023」が開催されました。本イベントは2017年から続いており、今回で7回目です。
昨年に引き続き、リアルとハイブリッドで開催されました。 本記事では、Zoomtopia 2023で発表されたZoomのAI関連のアップデートと、新サービス「Zoom Docs」について紹介します。

キーノートは、Zoom CEOのEric Yuan氏が全速力で走って登場するところから始まる。

追加費用無しで、Zoom AI Companionが利用可能に

キーノートの冒頭、CEOのEric Yuan氏は、AIをより多くのユーザーに利用してもらいたいと述べ、Zoom AI Companionを追加費用無しで利用可能にすることを発表しました。これにより、ユーザーは現在利用している費用だけでZoom AI Companionを利用することができます。

独自のAIアプローチで各社の強みを活かす

ZoomはAIに対して独自のアプローチを取っており、Zoom独自のAIモデルとサードパーティのAIモデル(OpenAIやAnthropicなど)を組み合わせたり、使い分けたりして、各社の強みを活かしています。

また、Zoomはプライバシー保護に力を入れており、ユーザーコンテンツやデータはAIモデルのトレーニングに使用しないことを説明しました。

Zoom AI、サービス全体に展開

Zoomは、プラットフォーム上の多くのサービスでAIを活用すると発表しました。現在では、Meetingsのチャット、Team Chat、White Board、Recording、Events、Zoom Rooms、ContactCenterなど、さまざまなサービスで利用が可能です。いくつかのサービスをご紹介します。

 

White Board

新しく導入されたAIのツールバーにプロンプトを打ち込むと、その内容に基づいて付箋や表などの形式でアイディアを自動で作成してくれます。

Zoom Team Chat

チャットの会話の要約や返信の内容を自動で作成してくれます。

Meetings

ミーティングに途中で参加しても、AIがミーティングの内容を教えてくれてキャッチアップすることができます。

Meetings

会議の議事録を自動で作成してくれます。

Events

AIを活用して、イベントの自動設定やイベント招待状やセッションの文言の自動生成、 質問回答の支援を行ってくれます。

Cloud Recording

録画されたミーティングのNext Actionが表示されます。

AIを活用したコラボレーションワークスペース「Zoom Docs」

Zoomは、新たにAIを活用したコラボレーションワークスペース「Zoom Docs」を発表しました。Zoom Docsは、ドキュメントやWikiの作成、タスクの割り当て、作業管理など、さまざまな用途に使用できます。
Zoom Docsでは、コンテンツのブロックやテキスト、表、画像をドラッグアンドドロップで簡単に編集できます。また、Zoom Meetingsの内容をドキュメントにシームレスに追加したり、AIが文章を要約したり構成や内容を作成してくれたりと、作業を効率化できる機能が充実しています。
さらに、@メンションでユーザーにタスクを割り当てたり、メッセージを追加したり、複数人での共同作業も可能です。 Zoom Docsは2024年にリリース予定です。

プロンプトの内容に応じて、AIが自動的に文章の骨子や内容を作成してくれる。
ミーティングの内容をシームレスにドキュメントに組み込むことができる。
Zoom Docsで共同作業をしている様子

NisshoUSA 注目ポイント

Zoomは、AIを活用した新たな機能を積極的に展開していることが印象的でした。
特に、ホワイトボードやDocsなど、各サービスの特性に合わせてAIを組み込むことで、ユーザーの利便性を向上させている点が評価できます。
また、OpenAIやAnthropic、独自のAIモデルなどを使い分けるアプローチは、サービスの特性やAIの用途に応じて最適なサービスを提供し、よりパフォーマンス高くAIを活用することができる点で、今後のSaaSベンダーのAI活用のスタンダードになっていく可能性を秘めていると思います。
一方で、新たな機能の拡充やAIの組み込みにより、ユーザーの使いこなしが難しくなる可能性もあります。そのため、ベンダーがユーザーに対してしっかりとサポートをしていくことも必要になると感じました。

最後までお読みいただきありがとうございました。
Nissho USAは、シリコンバレーで35年以上にわたり活動し、米国での最新のDX事例の紹介や、斬新なスタートアップの発掘並びに日本企業とのマッチングサービスを提供しています。紹介した事例を詳しく知りたい方や、スタートアップ企業との協業をご希望の方はお気軽にお問い合わせください

この記事を書いた人

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Yuki Takeuchi

2011年に日商エレクトロニクス(現 双日テックイノベーション)入社。大手通信キャリア、OTT事業者向けの営業、Citrix製品の事業推進を経験したあと、ZoomやAsanaなどのエンタープライズ向けSaaSビジネスの事業開発、推進を担当。 2023年よりNissho USA(現 STech I USA)に赴任。ITを通して、日本企業の競争力や生産性が上げられるようなソリューションの発掘を目指して日々活動中。 担当領域は、ITインフラ全般、SaaS、Future of Work、Retail Techなど。 サーフィンや登山など体を動かすことが好き。

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