シリコンバレーテクノロジー 2016.12.07
TEXT:Team Nelco

自動運転技術はどこまで進んでいるのか?‐注目の自動運転支援システム13選

シリコンバレーでは自動車やモビリティ関連にフォーカスしてスタートアップに投資するVCが出てきているくらい、スタートアップの自動車業界の注目度は高い。

例えば、テスラから発売されて一気に知名度が上がったインターネット通信機能を持つコネクティッドカーや、Googleが開発に注力している自動運転車など話題の企業をはじめ、多くのスタートアップが新ビジョンや新製品を開発している。

これらのスタートアップに負けず劣らず、世界のトップ自動車会社も自動車を進化させてきている。その中でも自動運転支援システムは人々の安全性を高めるのに役立っている。しかし、システムの種類は多岐にわたっているので、我々にはわかりにくく、かつどのように安全に役立っているのかもわからない。

自動運転車とはどのような仕組みで動いており、どういったシステムで安全性を保障されているのだろうか?

今回は自動運転車の安全性に注目し、常に改良を続けている先進運転システムの中でも将来性の高い13個のシステムをご紹介する。

1. アダプティブ・クルーズ・コントロールシステム

これは前方にある車やトラックのスピードに合わせて自動でスピードアップ・ダウンを行うという機能である。そして車間を一定に保つためにレーダー・カメラ等の監視システムが使用されている。複雑な運転のいらない高速道路で最も便利な機能だが、一般道のように一回一回止まる必要があるような場面にも対応できるレベルのシステムも開発されている。

2. アダプティブライトコントロール

これは場所や状況に合わせて車のライトの明るさを自動で調節してくれるという機能である。例えば暗闇の時は明るく照らしてくれる、コーナーで曲がるとき等に見やすいように曲がる先が見えるように光の角度を調節してくれる等細かな明るさ調節を行ってくれる。

3. 自動ブレーキシステム

これは自動車が早すぎたりするときに、自動でブレーキをかけるというシステムである。実際に衝突するときにブレーキをかけることがメインの機能であるが、ある一定の速度まで行ったときに自動でブレーキをかけて速度を遅くすることで事故そのものを防ぐことに役立っている。感知を行うセンサーも3種類に分かれており、ミリ波レーダー・ステレオカメラ・赤外線レーザーがありそれぞれ感知できる距離・精度に違いがある。

4. 自動駐車システム

駐車が嫌いな方への朗報である。このシステムを使えばほとんど駐車場を自分で行わなくて済むようになるのだ。これは駐車場での駐車をするときに手助けをしてくれるシステムで、駐車場を選んで指定することによってその駐車場に車が自動的に駐車を行ってくれる。テスラ・モーターズ、BMWが高い精度の完全自動駐車化を達成している。

5.後方視覚検知機能

これは後方の目視が不可能なところでのセンサーを使って運転手に「何があるか」の情報を与えてくれるシステムである。例えば車線切り替えの際に目視では確認しずらい斜め後ろから車が接近していると運転手に危険を知らすためアラームが鳴るというような仕組みになっている。

6. 衝突回避システム

衝突回避システムは、車が近くのモノに衝突する危険性がないかを確認することが可能である。確認できるものとしては、車・歩行者・乗り物・動物・道路上の危険物等が挙げられる。もし障害物にあたりそうな場合はシステムがドライバーに知らせてくれる。またシステムの中にはブレーキを掛けたり、シートベルトをきつく締めたりしてくれるものもある。

7. 眠気検知システム

眠気検知システムは様々な方法を使って運転手が眠気を感じていないか、気が散漫になっていないかを判断する。現在は運転手の頭の動きなどを分析して、眠気がないかどうかを判断している。将来的には専用ウェアを着て、心拍数などと連動することによってより精度高い探知システムを作ろうとしている。

8. GPSナビゲーション

現代に紙のマップで運転を行っているという人はいるだろうか。完全にこのGPSに置き換えられてしまっている。ほとんどのGPSは音声で方向を指示するようにできており、運転手がスクリーンを見なくてもいいようになっている。そして最近のGPSシステムでは交通渋滞のデータもわかるようになり、運転手はラジオやニュースを聞かなくてもいいようになっている。先進運転支援システムが普遍化した代表例ということができるだろう。

9. ヒル・ディセント・コントロール

これは、急勾配などでの坂道運転を楽にしてくれる先進運転支援システムである。下り道を走る時普通車はどんどん早くなってしまうため、フットブレーキとエンジンブレーキを使ってスピードを落とす必要がある。しかしこの機能があれば自動でスピード調整を行ってくれ、車速を一定に保ち続けてくれる。

10. 速度自動調節機能

これは、様々な情報を読み取り運転手に法定速度を守るよう促すものである。まだ一定地域でしか作動しないが、車の速度と法定速度を自動で比較し超えていないかをチェックし、もし超えていたら自動で法定速度に調節を行う。

11.レーンキープアシストシステム

これは、車が車線から勝手に外れてしまうのを避けるようにするシステムだ。もし車が車線から外れそうになった時は、他の車に衝突したりすることを避けるために、音を鳴らして警告する。現在は改良が進んでおり、車線へ戻る動作をを人間が行わずとも自動で行われるようになりつつある。

12.夜間走行システム

これは、夜に非常に見分けにくくなる障害物を見分けるのに非常に役立つシステムである。現在はすべての車に使われているが、車の外はライトで照らし、車内はサーモエナジーを使ったライトを使い照らすという手段である。

13.タイヤ空気圧監視システム

これは運転手へそれぞれのタイヤがどれほどのタイヤ圧を保っているかを伝えるシステムである。普通であればタイヤ圧を図るためには車から降りて実際に一つずつタイヤを測定しなければならない。しかしこのシステムがあれば降りずともタイヤ圧を知ることが可能でメンテナンスのタイミングも知ることができる。なのでめんどくさがりの運転手にもピッタリなシステムである。

まとめ

車大国と言われたアメリカでも若者の免許取得率が2000年に比べ5%減少し、東京では免許は取得したものの車を運転する機会なく自分の運転技術に自信がない人が少なくない。高齢者の運転事故も多くみられる。このような現状の中で自動運転車は、わたしたちの生活に変革をもたらしてくれることを期待する。

参考記事:

13 Advanced Driver Assistance Systems変化する自動車に関する5つのユーザー体験

Nissho Electronics USAは上記のようなトレンドを把握の上、来るべきデジタルビジネス時代に備え、様々な観点からシリコンバレーで調査を行い、日商エレクトロニクスと連携し、お客様に対し最適な提案をしてまいります。お問い合わせフォームより、どうぞお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

この記事を書いた人

Team Nelco

この記事をシェアする

私たちと話しませんか?