世界最大級の見本市、CES(Consumer Electronics Show)。今年は2021年1月11日から14日にかけて初のオンラインで開催されています。期間中は例年通り数多くの著名人による講演が行われ、スマートシティやヘルスケアなど様々なカテゴリーのスタートアップが世界中から参加していました。
充実したコンテンツが用意されたCESの中で、最も注目されるイベントの1つがイノベーションアワードです。今年は285もの斬新な製品やユニークなサービスが本アワードを受賞しました。今回はその受賞サービスの中から、日本でも受け入れられそうな製品を4社ピックアップしてお届けしたいと思います。
関連記事:【CES2021速報】巣ごもり生活をアップデートさせる最新ガジェット
飲む水の量を計算してくれる水筒 HidrateSpark STEEL
水を飲むことは健康に良いと聞いたことがある方は多いかと思います。しかし実際に1日どれくらいの量を飲む必要があるのか分からなかったり、飲むべき量を把握していても実際に飲んだ水の量を覚えていないなど、適切な量の水分をしっかりと摂れている人は少ないのではないでしょうか。
Hidrate社が開発したステンレス製の水筒「HidrateSpark STEEL」はそんな問題を解決します。HidrateSpark STEELが提供するのは水筒本体とそれに連動するモバイルアプリです。年齢、身長、体重などの情報を事前に登録することで水筒の持ち主が摂るべき量を計算し、水筒本体と連動してそれまでに摂った水分量と、残りの摂るべき量をアプリ上で可視化してくれます。水筒は現在2つのサイズで展開中で、16oz(約473ml)が約6500円、21oz(約621ml)が約7000円で販売されています。
セキュアで柔軟性の高いロック解除機能を持つ Lockly
LOCKLY Visionはセキュアで柔軟性の高いスマートロックです。デバイスにはHDビデオが搭載されており、撮った映像は内蔵のSDカードに保存できるほか、ライブ映像をモバイルアプリに配信することもできます。さらに、搭載されている内蔵マイクを使った双方向のコミュニケーションも可能です。特徴的なのは様々な方法でロックを解除できることです。指紋、登録した自分の声、モバイルアプリ、一時的にロック解除を許可するパスコードの発行、そして物理的なキーを使うなど、ユーザーが好む方法を選択できるようになっています。
私がLocklyに注目したのは、リモートワークの浸透で様々な場所が仕事場として活用されていくと想定される中、入退室の管理をより安全で柔軟にしていく必要性が出てくると感じたからです。例えばアパートの空き部屋や空き家などを新たに仕事場として提供したい場合でも、Locklyのスマートロックを活用すればで安全かつ柔軟な入退室の環境を簡単に整えられそうです。Locklyは現在は約41,000円で販売中です。
撮影したテキストを読み上げてくれる OrCam Technologies
OrCam Readは様々なものを読むことをサポートする、ハンドヘルド型デバイスです。デバイスに搭載されているカメラでテキストを認識し、オーディオテキスト機能により読み上げるというもので、新聞、書籍、製品ラベルなどの印刷面からパソコンやスマホなどのデジタル画面にまで対応しています。
例えば雑誌の記事を読むのが面倒な場合など、読みたい箇所をOrCam Readで撮ることで撮影した記事を音声で再生できるほか、目の不自由な人の生活もサポートするツールの1つとしても活用が期待できます。OrCam Readの価格は約20,8000円で、一般に出回るには少々高額な製品です。
都市を守る自動走行車 Ekin A-Patrol
Ekin A-Patrolは自律走行するパトロール車で、都市の安全確保を目的として開発されました。学校や病院の周りを見回って速度超過する車を取り締まったり、交通量の多い場所などを走行することで交通事故を防いでくれますます。カリフォルニア州ではWaymoやNuroなど既に5社がドライバーレスのテスト走行を行う認可を取得しています。ドライバーレス技術の開発が進む中、今後もEkin A-Patrolのような新たな価値を提供する自動走行車が生まれてきそうです。
Nissho USA注目ポイント
今回はヘルスケア、ホームセキュリティ、最新ガジェット、自動走行車を取り上げましたが、他にも斬新なアイデアで日本でも受け入れられそうな様々な製品がアワードを受賞していました。センサー技術、画像認識、AIなど様々な技術が非IT産業でも当たり前のように活用されるようになり、今回取り上げたHidrateSpark STEELの水筒のように、昔から使っていた製品にテクノロジーを加えることで新たな価値を生む製品が次々と誕生しています。
新型コロナウイルスの影響でオンラインイベントが一般的になりつつありますが、CESのようなイベントでは実際に物を見たり触ったりし、肌で感じることでより製品の魅力を理解することができるため、オンラインだと少し物足りなさも感じました。2022年のCESはオフラインでも開催できることを願っています。
関連記事:【CES 2020 速報】注目のベスト・オブ・イノベーションアワード受賞企業をご紹介!
最後までお読みいただきありがとうございました。
Nissho USAは、シリコンバレーで35年以上にわたり活動し、米国での最新のDX事例の紹介や、斬新なスタートアップの発掘並びに日本企業とのマッチングサービスを提供しています。紹介した事例を詳しく知りたい方や、スタートアップ企業との協業をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。