イノベーティブ・スタートアップ 2021.07.15

価格交渉まで代行してくれるサブスクリプション管理アプリTrubill

Netflix、Amazon Prime、Spotify、インターネット回線、スマホ料金など、複数のサービスをサブスクリプションで利用している人は多いのではないでしょうか?サブスクリプションが一般的となった中、それら複数のサービスの管理が煩雑だと感じる人もいるでしょう。

実際、私自身12のサービスに加入していますが、管理ができていないことから解約し忘れてサービス費用を支払い続けていたり、二重にアカウントを作成してしまったりと様々な失敗を繰り返してきました。

今回は私のようにサブスクリプションの管理が追いついていないにおすすめしたい米国スタートアップTrubillを紹介します。

個人のサブスクリプション管理アプリTrubill

Trubillは個人向けにサブスクリプション管理機能を提供するアプリです。銀行口座とクレジットカードをTrubillと連携させることでデータを集め、契約しているサブスクリプションを管理します。以下にTrubillの特徴を簡単にまとめます。

契約しているサブスクリプションを可視化

ユーザーが加入しているサブスクリプションサービスを一覧で表示します。私は12のサービスを利用していますが、Trubillではそのうち10つを認識し、これまでの支払い金額、支払い日などが可視化されました。そのほか、加入しているサブスクリプションのキャンセルをTrubillアプリからできる点も便利です。

サブスクリプション管理画面
NetflixをTrubillアプリ上で解約した画面

サブスクリプション費用の値引き交渉を代行

Trubillがサブスクリプション費用の値引きができる可能性があると判断したサービスについては、値引き交渉を代行してくれます。米国ではアパートの更新やインターネット回線サービスの契約時に価格交渉をすることで値下げしてくれることがよくあります。例えば私の場合、インターネット回線サービスのComcastに毎月約$55支払っているのですが「この費用は少し高いため価格交渉をします」という提案を受けました。もし毎月の費用を削減できた場合、削減できた費用の一部をTrubillに支払うという仕組みになっており、Trubillの取り分はユーザー側で決める仕組みです。現在TrubillへComcastの値下げを依頼中しており、本当に値引きできるのかどうか結果が楽しみです。

Comcastへ月$55.60の支払いは高く、値引きできる可能性があるというメッセージ

金融データの一元管理

Trubillではサブスクリプションだけでなく、月々の収支、銀行口座の残高からクレジットカードの利用額を差し引いた実際の残高、支出内容のカテゴリー分けなど、複数の口座、クレジットカード情報も一元管理し可視化します。私が利用していて便利だと感じるのはリアルタイムに実際の残高が可視化できる点です。普段から2つの銀行口座、3つのクレジットカードを利用しているためリアルな残高を計算する際はそれぞれのデータにアクセスして計算していましたが、Trubillを見ればすべてわかるようになったためとても助かっています。

クレジットスコアの可視化

クレジットスコアとは米国で個人の信用度を数値化したもので、日本ではローンやクレジットカード作成の際に照会される「信用情報」と同じ役割を持つものです。このクレジットスコアを入手するには手間がかかることがあり、場合によっては取得するのに費用が発生する場合もありましたが、Premiumプランユーザーであれば無償でTrubillアプリからクレジットスコアを入手することができます。クレジットスコアは日々必要なものではありませんが、自分のスコアをサクッと知りたい時にとても便利です。

Trubillの有償プラン費用はユーザー側で決める

Trubillには機能制限がある無償のLiteプラン、全機能が使える有償のPremiumプランがあります。Trubill自体もサブスクリプションで提供されますが、その費用はユーザー側で決めることができる仕組みになっています。「私たちのサービスに価値を感じていただけたら、ぜひサポートして下さい」というTrubillのコメントがあり、ユーザー側は月額$3から$12の間でサブスクリプション費用を決めることができます。

NisshoUSA注目ポイント

サブスクリプション管理のアプリはこれまでいくつか試しましたが、私の場合はTrubillが一番マッチしていると感じています。そう感じている理由は3つあり、1つ目は日本のサービスでも毎月支払いが発生しているものはサブスクリプションとして認識して管理してくれる点、2つ目は値引きできそうなサービスを教えてくれ交渉まで代行してくれる点、3つ目は常に自分のリアルな財務状況を可視化できる点です。値引き代行サービス以外はサブスクリプション管理アプリとしては特に目新しい機能ではありませんが、ユーザーが日々使う機能をバランスよく備えている点で、とても使い勝手が良いと感じています。

私のように複数のサブスクリプションを活用、複数の銀行口座、クレジットカードを活用しているという人は日本でも少なくないのではないでしょうか?そのような人たちにぜひ活用してほしいアプリです。

会社概要

設立年 2015年
所在地 メリーランド州 シルバースプリング
従業員 101-250名
創設者 Idris Mokhtarzada(Funder & CTO)
資金調達 $83.9M(約92億円)シリーズD
VC Y Combinator、Accel、Bessemer Venture Partners
URL https://www.truebill.com/

※crunchbaseデータベース参照

最後までお読みいただきありがとうございました。
Nissho USAは、シリコンバレーで35年以上にわたり活動し、米国での最新のDX事例の紹介や、斬新なスタートアップの発掘並びに日本企業とのマッチングサービスを提供しています。紹介した事例を詳しく知りたい方や、スタートアップ企業との協業をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

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Shuichi Noto

2008年にユニアデックス入社。5年間の大手通信キャリア向けの営業を経験した後、日商エレクトロニクスへ入社。大手OTTの情報システム部門向けにVDIやWeb会議などの働き方改革を促進するソリューションの販売に従事。2019年よりNissho USAに赴任。お客様のビジネスを共創&サポートできるようなソリューションの発掘を目指し日々活動中。担当領域はITインフラ全般、ヘルスケア業界、地域創生など。趣味はゴルフとサッカー。

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