7月第4週の週刊コンテンツはリテールをとりあげます。
1. Amazonがインドで自動車保険サービスを開始
Amazonはインドの保険会社Acko General Insuranceと提携し、二輪車と四輪車をカバーする自動車保険サービスを提供することを発表した。このサービスはAmazon Payを介して料金支払いが可能であり、オンボーディングプロセスも約2分とスピーディ、かつクレーム処理も3日で実施するなど、顧客体験を重要視した仕組みを取り入れている。また、Prime会員割引や少額クレームに対して即時に現金支払いで対応するなど、顧客にとってはありがたい施策を取り入れている。インドは保険業界にとっては魅力的な市場であり、その多くの人口に対する保険加入率が数%ということから伸びしろを大いに秘めているためである。テック開発も盛んに行われいるためAmazonとの相性も良さそうだ。インドでの新たな取組が他国にどう展開されていくのが見ものである。
https://techcrunch.com/2020/07/23/amazon-now-sells-auto-insurance-in-india/
2. Low’s の継続成長を支えるGoogle Cloud Platform
今月から始まったGoogle Cloud Next on Air。毎年開催されるGoogle Cloud主催の年次カンファレンスが、Covid-19の影響でオンライン開催になっている。リテール業界からはGoogle Cloudへオンラインサービスを移行した、Low’sが登壇。Low’s は住宅リフォーム、住宅家電を取り扱う米小売店。Work From Home下で自宅業務メインになったことで売上が急上昇している。既に米大型セール期間であるBlack Fridayでの需要を大きく超えており、特にオンライン事業では3桁成長を続けている。そのインフラを支えているのがGoogle Cloudであり、アジリティと安定性に基づき、オンラインとオフラインをいかにシームレスにつなげるか、オムニチャネルからチャネルレスの顧客体験を提供することが成長の秘訣だと述べた。リテールのデジタル化強化が急務の中、Google Cloudの活躍からは目が離せない。
3. Walmart、クリニック増設でヘルスケア事業への積極参入をアピール
米小売店大手のWalmartがヘルスケア事業強化に向け、店舗併設のクリニックの増設を進めている。米国ではリテールとヘルスケア産業の境界が徐々に無くなってきており、業界ディスラプトが起こりつつある。Walmartでは、プライマリー・ケア及びアージェント・ケア、 臨床検査、レントゲン、診察、カウン セリング、歯科、眼科、聴力検査など を、健康保険の有無にかかわらず1ヵ 所で提供、かつリーズナブルに提供することでそのポジションを確立していく予定である。Walmartに限らず、AmazonやBest Buy、Krogerなど、リテール業界におけるヘルスケア参入の流れはおさえておくべきトレンドだ。
4. 今週の注目リテールスタートアップ:Popshop Live
ジャパネットタカタのようなTVショッピングを今風に、かつ誰でも簡単に実現できるそんなスタートアップです。COVID-19の影響で店舗が閉鎖され、販路をなくした販売店やオーナーはたくさんいらっしゃいますが、そんな方々の救世主になりうるPopshop Live。モバイルとインターネットを活用し、販売オーナーにプラットフォームと販売の為のプレイブックを提供します。ライブストリーミング効果でコンバージョン率をあげ、リアルタイムでショッピングができることで売上拡大にもつながります。売り手にとって面倒な作業をPopshop Liveが引きうけることで、売り手は販売に集中できます。買い手は、有名人のYoutube Liveを見ている感覚で参加し、欲しい商品があればその場で購入。有名人なんかを起用すると若者世代に受けそうなビジネスモデルですね。
まとめ
リテール業界で個人的に注目しているのは、Walmartが積極参入しているようなリテールヘルスケア分野です。コンビニエンスクリニックと呼ばれるこのような動きは米国で非常に活発になっており、日本でも可能性としてどうなのか?と興味を持っています。医療費や健康保険加入への考え方など、日米ではギャップがありますが、注目すべき大きな流れだと思っています。Amazonの動きもやはり見逃せませんね。
最後までお読みいただきありがとうございました。