こんにちは。真次です。1月4日-8日にLasVegasで開催されたCES2017に初めて参加してきました。私が見て感じたこと、そして来年参加される方々のために効率的な回り方をお伝えしたいと思います。
CESとは
まず、セスではなくシーイーエスです。私も会場に着くまでセス、セスと言っていましたが正しくはセスではなくシーイーエスだそうです。今年で50周年を迎え、従来はConsumer Electronicsつまり家電見本市の意味合いが強かったのですが、近年、IoT,AI,VR,Roboticsなど家電だけではなく、Consumer Technologyの発表場所として位置づけられるようになりました。
世界中から10万人以上が参加し、東京ドーム6個分の広さで開催され、30項目以上のカテゴリで展示されます。とにかく人が多くて、広いです。近未来を予想させる製品がたくさんありワクワクします。日本から多くの方(2016年度は2641人。アメリカ以外からで世界で4番目の参加者数)が参加されているように感じました。1社数十人単位で出張で来られている会社もあり注目の高さが伺えます。
この時ばかりは普段は比較的安価なラスベガスのホテル代も高騰し1月5日、6日は通常の10倍の値段がついているところもありました。
Amazon Alexa 700以上のエコシステムが出展
右を見ても、左を見てもAmazon Alexaが目立ちました。Fordの車にAlexa、LGの冷蔵庫にAlexa、Huaweiの携帯にAlexaとAlexaとのエコシステムを前面に出した会社が多くみられました。
Alexaとは
Amazonから発売されている音声アシスタントシステムです。「Alexa、車を起動して」、「Alexa、牛乳を注文して」、「Alexa、賞味期限きれているもの教えて」、と音声を認識して様々なシステムと連携させることができます。
今回、700製品のエコシステムが出展されており、Amazonは出展していないのにもかかわらず、主役はAmazonという印象を受けました。昨年はAmazon EchoというAlexaを搭載したガジェットの説明でしたが、今年はAmazon Alexaを他社の機器に連携する事例が多くなりました。Amazonに対抗できるのはGoogleになりますが、会場ではあまり見かけず、現状ではAmazonが優勢のように感じました。
Alexaは設定次第であらゆる電子機器と連携させることができます。
- LGの冷蔵にAlexaを搭載
- Canon のPrinter にAlexaを連携
- 家庭内の電気もAlexaで動かすことがでる
車 x AI で運転アシスタントその先には自動運転が実現。NVIDIAとAudiが2020年がターゲットとして自動運転車リリース
KeynoteではNVIDIAのJen-Hsun Huang氏,NissanのCarlos Ghosn氏など著名人が登壇し、各社パートナー企業と組んで、自動車へのAI搭載、自動運転車を今後リリースしていくと発表しました。
NVIDIAはAudi、NissanはMS,DeNA、FordはAmazonと組んで実現していきます。事故の90%以上はHuman Errorと言われており、全ての車が自動運転になると事故の99%が無くなるそうです。ひょっとしたら、タバコと同じように運転するならあっちの運転所でやってきてなんてそんな時代も来るのかもしれません。
NVIDIAはAudiと連携
NissanはMS、DeNAと連携
IoTで車からベッドまで接続される世界はすぐそこに。ただSecurityはあまり語られていない、というか気にしていない
Smart HomeのエリアではIoT製品を多く見かけることができました。電気、鍵、エアコン、音楽、冷蔵庫など家庭内にある様々なものがIoTとしてネットワークに接続されています(ここでもAlexa連携は多く展示されていました)。
しかし、何ができるのか?は多く展示されていますがSecurityをどのように担保するのかはあまり語られていませんでした。というより端末側は気にしていない印象を受けました。
一方で、個別のSessionではハッカーにとってIoTは狙いやすいとの発言もありました。昨年話題になったMiraiのようにIoTの普及に伴って、ウイルスも増えていきますので、Securityを考えて使う必要がありますがまだ業界全体で解が出ていないように感じます。
日本ではIoTのデバイス間通信を独自プロトコルを使うことでSecurityを担保する(攻撃されにくくする)との考えもあるようですが、ユーザー側としてはメーカーにLock inされ、スイッチングコストが大きくなるため、統一されたプロトコルで使えるようになってほしいです。
注目製品 3選
会場で見て面白いなと思った製品を3つご紹介します。
1. Aurahome : 電波状況の変化でHome Securityを実現
カメラではなく、家庭内の電波状況の変化からHome Securityを実現する新しい切り口の製品です。Aura デバイスを家庭内に設置して家庭内に飛んでいる無線の電波を可視化することで、人の侵入など、家庭内での環境変化を見つけることができます。従来のSecurity方法より安価に実現できることが特徴です。会場ではVRで家庭内の可視化された映像を確認することができました。
2. Scarify Almond 3 : Miraiなんて怖くない!IoT Security対応Wifi Router
IOT Security Solution付きWifi Router。従来はタッチパネルから無線LANの設定がすべてできるというのが売りでしたが、IoTデバイスを接続し、監視することまでできるようになりました。各IoTデバイスを監視しているため、IoTデバイスがマルウェアのMiraiに乗っ取られたとしても異常を検知し、ユーザーに通知してくれます。Alexaとも連携することができます。
3. さくらインターネット : つけるだけでIoT!4,980円からグローバル販売開始
IoTモジュールの世界販売を開始。4,980円で一個から販売。機器にとりつけるだけでIoT化を実現するIoTモジュールセット。すでに日本で販売されていますが、グローバル販売の開始をCESの会場で田中社長自ら発表されていました。LTEでさくらのIoTプラットフォームと接続し、すぐにIoT対応機器として利用することができます。開発者はIoTをどう実現するかではなく、IoTを使ってどういったビジネスをするかに集中することができます。
CES2018の効率的な回り方
今回初めて参加してとにかく広かったので反省点がありました。来年初めて参加される方のために効率的な回り方をお伝えしたいと思います。
1.とにかく広い。歩きやすい靴を準備しよう
エリアも三つに分かれており、一つのエリアも非常に大きいです。歩く距離が多くなりますので歩きやすい靴でお越しください。スニーカーは必須です。
2. 最初に行くべきはInnovation Award。何が注目されているかがわかります
まずはInnovation Awardに行きましょう。CESで発表された製品の中で優れたものが表彰されており、今年のトレンドがわかります。トレンドを把握したうえで、1日単位でエリアを決めて回りましょう。会場間は無料シャトルバスもありますし、Uberで移動することもできますが渋滞などで時間が掛かりますので初日はEast,二日目はCentralなど決めることをお勧めします。
3. Uber/Liftをうまく活用!しかし、夕食の時間帯は注意
今年からUber、Liftが解禁され、Taxi以外にも移動手段の選択肢が増えました。しかし、渋滞がひどく移動には時間がかかります。特に夕食の時間帯19:00前後は気を付けてください。Taxi, Uberが捕まらないことがあります。私は19:00からのDinnerにUberで移動しようとしましたが、リクエスト→キャンセルされるの繰り返しで結果呼べませんでした。そのため徒歩45分ぐらいの距離をリュック背負って走る羽目になりました。
4. ホテル、フライト予約はできる限り早く
CES2018は2018年1月9日-13日です。実はもう参加登録ができます。ホテル、フライトは開催日に近づくにつれて高騰していきます。参加したい!と思っている方はキャンセルもできますので予約だけは早めにされることをお勧めします。
最後までお読みいただきありがとうございました。Nissho Electronics USAは本記事で紹介をしたようなトレンドを把握した上で、 様々な観点からシリコンバレーで調査を行い、日商エレクトロニクスと連携し、お客様に対し最適な提案をしています。日商エレクトロニクスのソリューションの詳細はこちからから。
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写真一部 : CES facebook ページより参照