こんにちは。Nissho Electronics USA細井です。
先日の3月12日より米国は夏時間になりました。気温も日中は突然夏!といった印象さえうけるほどの暑い日になる事もあります。日本の三寒四温はありませんが、例えれば三雨四陽を繰り返し、カリフォルニアの青空と眩しい日差しの季節がやってきます。
さて今回のテーマはIoTですが、少々別の視点からのIoTの内容を取り上げてみようと思います。
我々IT関連に多く携わる事が多い人にとって、IoTと言えば、Internet of Things (物のインターネット)の略語で、車をはじめ、ご家庭の冷蔵庫、掃除機、テレビ、腕時計、メガネ、スポーツウエア、そしてガスメーター、TVカメラなど身の回りのありとあらゆる物がネットワークにつながり、デバイスにつけられたセンサーにて収集された情報がクラウドに集まり分析される、そんな事をイメージされるかと思います。
Industry of Things World USA2017 概要
今回カリフォルニア州サンディエゴで2月20日~21日に開催されたIoTはIndustry of Things(インダストリー・オブ・シングス:製造業の機器や物がネットワークにつながる)であり、Operational Technology (オペレーショナル・テクノロジー) の世界である。OTにおいては従来は専用機器、専用OSで個別に動作させている事が多く、他機器との接続とは無縁であった製造機器が、IT技術の活用し繋がる事によって異なるサービスを生み出そうと考えている方々の集まり。登場人物や会社が違っていて、なんとも新鮮です。参加者は目算でおよそ300名程度と思われ、まだまだ小さい規模のではありましたが、知らない事が多く、個人的には 参考になり興味の尽きないイベントでした。
業界を超える、いろいろなIoT
現在ではIoTを文字って色々な単語の組み合わせで表現されています。Internet of Things, Industry of Things, IT and OT, Interoperability of Things・・・
そのような中で、Industry Internet of Things (IIoT)という単語が、製造業においては今後広く使われて行きそうです。
IoTのデータ収集・分析の現状と課題とは?
私が参加したGoogleのセッションでは、各業種で使用されている機器からセンサーから得られる情報は”INFORMATION” ではあるが、未だ ”DATA” にはなっていない。集めたINFORMATIONを分析し、次に役立つような情報”DATA”に変換してゆく事、そして迅速にする事が重要で、そこにGoogleはCloudにて貢献してゆくと説明。
個人的には、製造業をはじめとした各業界の方々の発表にて、Cloudの活用が積極的に語られていたことが驚きました。もちろん語られている主なCloudはプライベートクラウドが主であり、新幹線の総合指令所なども、言うなればプライベートクラウドと言えなくはないのだけれど、OTの分野においてもCloudという単語が使われ、また機器同士の通信は専用プロトコルではなくOpen なプロトコルを使用するCloud Mustの時代になろうとしていると実感。
異才を放つSAMSUNG ARTIK
家電製品も手掛けるSAMSUNGは、同社のARTIK SMART IoT PLATFORMを使い、2020年には製造する同社の全ての製品をConnect出来るようにするとのが同社のコミットであると説明。最終的にはIoT様々なメーカーの製品がエコシステムを形成し接続されるようになるのが理想であるとは思うが、このARTIKのような取り組みは、IIOTの促進という視点からは、1stステップとしての現実解に近い印象を受けた。
ちなみに、SAMSUNGのプレゼンテーターであった Sarah Peach氏とは、IoT Worldのオープニングセッションにて偶然にも席が隣であったため、お互いに自己紹介しながら話をする機会に恵まれた。彼女の聡明且つクレバーさを感じさせる話しは興味深く、大変有意義であった。
The Journey never end (終わらない旅)
開催中のプレゼンの中で頻繁に出てくるキーワードに、“The Journey never end” があった。異なるメーカーの製造機器を繋げる事は容易ではない。また例え繋がったとしても、繋がるだけでは意味がなく、顧客のワークフローに組み込み、便利にならなければならない。つながる事で、セキュリティー対策も重要になるが、対策としては現時点では具体的な対策は講じられていない。
今回のIoT Worldでは、課題として言われていたのは概ね以下6つに集約できると思う。
- サイロ化されたInformation(もしくは活用しよう/活用させようとしていないDATA)
- セキュリティーへの懸念(外部からの攻撃や繋がる事への経験の少なさからくる無防備さ)
- 既存ビジネスプロセスの変更を拒む(ワークフローの変更が伴う事への許容)
- IIoT促進への課題
- IoT化する事への恐怖感(イメージの問題)
- Power
- Interoperability (相互接続性)
IoTに必要な相互視点
私が従来携わってきていたIT側の視点だけではなく、OT側の視点にも立ち、何が課題で何が必要なのか?を考える事が重要なのだと気づくことができたIoT World USAであった。当り前ではあるのだけれど、技術の進化を使って世の中を便利にしようとしている業界がIT業界以外に別業界にもあった。IoTは異なる業界の“DATA“を活かす事で、まったく新しいビジネスモデルを生み出すパワーがある。この新しい可能性を感じると共に、同分野で貢献できたらと思う。
Nissho Electronics USAは上記のようなトレンドを把握の上、来るべきデジタルビジネス時代に備え、様々な観点からシリコンバレーで調査を行い、日商エレクトロニクスと連携し、お客様に対し最適な提案をしてまいります。お問い合わせフォームより、どうぞお気軽にお問い合わせください。日商エレクトロニクスのサービスの詳細はこちからから